「母が足を骨折して入院したと、父から連絡があったんです。でも私は関西、実家は九州で……」
先日、ある企業で働く40代の女性社員から、このような相談を受けました。高齢の親が遠方に住んでいる場合、介護はある日突然、現実の問題として立ち上がります。
距離の問題だけではありません。
現地の医療や介護の情報が分からない不安、すぐに駆けつけられない焦り、そして仕事をどうするかという葛藤。
複数の課題が同時に押し寄せ、冷静な判断が難しくなります。
こうした場面で、企業の中に相談できる専門職がいることは、大きな安心につながります。
それが「産業ケアマネ」です。
遠距離介護では、物理的な距離以上に“情報の壁”が立ちはだかります。
さらに、仕事との両立という問題が加わります。
急な休暇取得は職場への影響も考えなければならず、周囲への遠慮から相談をためらうケースも少なくありません。
企業にとっても、これは他人事ではありません。
従業員が悩みを抱えたまま働き続ければ、生産性の低下や突然の離職につながる可能性があります。
遠距離介護は、個人の問題であると同時に、企業経営にも関わるテーマなのです。
今回のケースでは、産業ケアマネが間に入り、状況を一つずつ整理していきました。
まず、実家を管轄する地域包括支援センターへ連絡し、退院後に利用できる制度や介護保険の新規申請手続きを確認。
次に、病院の退院支援室と情報共有を行い、治療内容や入院期間、退院後に想定される生活課題を把握しました。
同時に企業とも調整を進め、介護休暇制度の活用を提案。
その結果、5日間の介護休暇を取得し、本人が帰省できる環境を整えました。
現地では地域包括支援センター職員と面会し、介護保険の申請を進めながら、今後の生活支援について具体的に相談。
その後、担当のケアマネジャーが決まり、退院後の支援体制が形になっていきました。
重要なのは、本人が「何から始めればいいのか分からない」という状態から抜け出せたことです。
段取りが見えるだけで、不安は大きく軽減されます。
遠距離介護において大切なのは、「すべてを自分で抱え込まないこと」です。
産業ケアマネは、医療・福祉と企業をつなぐ橋渡し役として機能します。
制度の説明だけでなく、企業の就業規則や休暇制度を踏まえた具体的な選択肢を提示できる点が特徴です。
介護休暇、在宅勤務制度、時差出勤など、活用できる仕組みは企業ごとに異なります。
第三者の専門職が入ることで、本人も企業も冷静に判断できる環境が整います。
結果として、今回の女性社員は仕事を続けながら、母親の退院後の生活基盤を整えることができました。
「一人で抱えなくていいと思えたことが、本当に心強かった」
その言葉が、この支援の本質を物語っています。
産業ケアマネの支援は、従業員個人の問題解決にとどまりません。
といった側面でも、大きな意味を持ちます。
遠距離介護は、今後ますます増加すると予測されています。
高齢化が進む日本において、従業員の親世代はすでに後期高齢期に入りつつあります。
企業が介護支援の視点を持つことは、人材確保の観点からも重要な経営戦略の一つです。
産業ケアマネは、こうした“見えにくい困りごと”に早期に気づき、適切な支援につなげる存在です。
相談できる窓口があるという事実そのものが、従業員にとっての安心材料になります。
離れて暮らす家族の介護は、いつ始まるか分かりません。
だからこそ、備えとしての「相談先」が重要になります。
もし、遠方の親のことで不安を感じたら。
あるいは、従業員からそのような相談を受けたなら。
職場に「産業ケアマネ」という選択肢があるか、一度確認してみてください。
早めの相談が、仕事と介護の両立を現実的なものへと変えていきます。
株式会社DREAM-SMARTでは、阪神間(神戸市、明石市、加古川市、三木市、稲美町)を中心に「産業ケアマネ」の専門知識を活かし、企業への導入支援を行っています。
2025年の法改正に対応した実践的な学びを通じて、企業に求められる両立支援の重要性はますます高まっています。
導入や研修についてのご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
詳しくは、当社公式サイトよりご確認ください。
👉 産業ケアマネ公式サイト