2026年のいま、多くの企業が人材不足への対応に頭を悩ませています。
採用を強化しても応募が集まりにくい。
ようやく採用できても、早期離職やメンタル不調、家庭事情による働き方の制約が重なり、現場は慢性的な負担を抱えがちです。
帝国データバンクの2026年1月調査でも、正社員の不足を感じている企業は52.3%と、引き続き高い水準にあります。
人手不足は一時的な問題ではなく、事業継続そのものに直結する経営課題になっています。
その中で、見落とされやすいのが「仕事以外の事情」が離職や生産性低下につながっている現実です。
とくに家族介護は、ある日突然始まることが多く、本人も会社も十分に備えないまま対応を迫られます。
経済産業省は、仕事をしながら家族介護を担ういわゆるビジネスケアラーが、2030年には約318万人に達し、経済損失は約9.1兆円にのぼると示しています。
いま企業に必要なのは、採用だけで人材不足を埋めようとする発想ではなく、今いる人が働き続けられる環境をどう整えるかという視点です。
そこに関わる専門的な支援役として、産業ケアマネの価値が高まっています。
人材不足というと、どうしても求人広告や採用単価の話に目が向きがちです。
もちろん採用は大切ですが、現場では「採ること」以上に「辞めさせないこと」の重要性が増しています。
とくに中堅社員や管理職候補、専門職の離職は、人数以上の損失を企業にもたらします。
業務の引き継ぎ、周囲の負担増、採用や教育のやり直しまで含めると、そのダメージは小さくありません。
経済産業省も、仕事と介護の両立支援を人的資本経営やリスクマネジメントの観点から重要なテーマとして位置づけています。
実際、介護を理由とする離職は毎年約10万人規模とされており、厚生労働省や経済産業省の関連資料でも、介護離職防止は企業の重要課題として扱われています。
さらに総務省の就業構造基本調査では、介護をしている人は約629万人、そのうち有業者は約365万人でした。
つまり、介護は一部の特別な人だけの問題ではなく、働く世代のかなり身近な課題です。
人材不足が続く時代に、この層を支えられるかどうかで、企業の持続力は大きく変わります。
家族介護の難しさは、本人が周囲に相談しにくいことです。
まだ大丈夫と思って我慢する、
職場に迷惑をかけたくない、
どの制度を使えばいいか分からない。
そうしているうちに、通院の付き添い、入退院の対応、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの連絡、親の状態変化への対応が重なり、仕事との両立が一気に厳しくなることがあります。
こうした“見えない負担”は、勤怠の乱れや集中力低下として表れやすい一方で、表面化するまで会社が気づきにくいのが実情です。
そこで力を発揮するのが、産業ケアマネの視点です。
産業ケアマネは、介護・医療・福祉の知識を土台に、従業員の生活背景を整理し、企業の制度や地域資源とつなぎながら、働き続けられる道を一緒に考える役割を担います。
たとえば、介護保険サービスの使い方が分からない従業員に基本的な流れを整理して伝える、
家族内の役割分担を見直すきっかけをつくる、
会社側には短時間勤務や休暇、
テレワークの活用余地を検討してもらう。
こうした支援は、単なる相談対応ではなく、「辞めるしかない」と思い込む前に選択肢を増やす実務です。
これは従来の産業保健だけでは拾いにくかった領域を補う動きとも言えます。
なお、産業ケアマネの位置づけや活動内容には民間資格・実務支援としての幅もあり、企業ごとに関わり方は異なります。
この流れを後押ししているのが、2025年4月1日から施行された改正育児・介護休業法です。
厚生労働省によると、介護離職防止のために、企業には雇用環境整備、両立支援制度等の早期情報提供、介護に直面した労働者への個別の制度周知・意向確認が義務づけられました。
つまり、制度を用意しているだけでは足りず、「必要な人に、必要なタイミングで、きちんと伝える」ことまで企業の責任になったということです。
この改正は、企業の現場にとってかなり大きな変化です。
なぜなら、介護は本人から申告がない限り見えにくく、しかも相談時にはすでに相当切迫していることが多いからです。
改正後は、相談窓口の整備、管理職への理解促進、社内周知の仕組みづくりがいっそう重要になりました。
厚生労働省は、企業向けに実務的な支援ツールやガイドも公開しており、対応フローの整備や面談時のポイント整理を進めやすくしています。
ここに産業ケアマネが加わることで、法対応を形式的なものに終わらせず、実際に使える支援体制へ落とし込みやすくなります。
人材不足の時代に本当に強い会社は、採用ページが目立つ会社だけではありません。
従業員が困ったときに相談できる、事情を抱えながらも働き続けられる、その仕組みを持っている会社です。
介護は長期戦になりやすく、ある日だけの配慮では支えきれません。
だからこそ、個人の頑張りに任せるのではなく、制度、相談窓口、上司の理解、外部専門職との連携を組み合わせた仕組みづくりが必要です。
経済産業省のガイドラインも、企業経営における仕事と介護の両立支援を、単なる福利厚生ではなく経営上のテーマとして示しています。
産業ケアマネが企業に入る価値は、まさにそこにあります。
個別相談だけでなく、実態把握、管理職研修、社内啓発、制度改善の提案まで含めて関われるため、点ではなく面で支援を組み立てやすいからです。
人材不足を埋める答えは、外から人を連れてくることだけではありません。
今いる従業員が安心して働き続けられる状態を守ることも、同じくらい重要です。
家族介護を抱える従業員にとっても、企業担当者にとっても、「早めに相談できる相手がいる」ことは大きな支えになります。
これからの企業の持続可能性は、売上や採用数だけでなく、働く人の生活背景にどこまで目を向けられるかで決まっていく。
その現場を支える専門職として、産業ケアマネの役割は今後ますます大きくなっていくはずです。
株式会社DREAM-SMARTでは、阪神間(神戸市、明石市、加古川市、三木市、稲美町)を中心に「産業ケアマネ」の専門知識を活かし、企業への導入支援を行っています。
2025年の法改正に対応した実践的な学びを通じて、企業に求められる両立支援の重要性はますます高まっています。
導入や研修についてのご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
詳しくは、当社公式サイトよりご確認ください。
👉 産業ケアマネ公式サイト